”人が辞めない会社”がやっている、シンプルなこと
「せっかく採用しても、すぐ辞めてしまう」「なかなか人が定着しない」 そんな悩みを抱える企業は少なくありません。特に中小企業では、1人の離職が現場に与える影響も大きく、採用・育成コストも無視できません。
では、“人が辞めない会社”は、いったいどんなことをしているのでしょうか? 実は、それはとてもシンプルな取り組みの積み重ねです。
1. 「話しかけやすい」雰囲気をつくる
人が辞める理由の多くは、「人間関係」や「相談しにくさ」にあります。仕事で悩みがあっても話しにくい、上司が忙しそうで声をかけづらい、そんな環境では不安や不満が蓄積しやすくなります。
逆に、上司が日頃から声をかけてくれる、ちょっとした相談に耳を傾けてくれる、そんな「話しやすい空気」がある職場は、社員に安心感を与えます。
特別な制度がなくても、「今日、調子どう?」といった一言が、信頼関係づくりの第一歩になります。
2. 成果だけでなく「プロセス」を見てくれる
がんばっているのに評価されない、結果が出ないと叱られる――そんな環境では、働き手のモチベーションは下がります。
“辞めない会社”は、数字だけではなく、日々の努力や姿勢もしっかり見ています。
例えば、ミスがあったとしても「よく気づいたね」「次に活かせば大丈夫」と前向きな声をかける。それだけで、社員は「見てもらえている」と感じ、次もがんばろうという気持ちになります。
結果はもちろん大切ですが、そこに至るまでの過程にも目を向けることが、定着につながります。
3. 休めるときに、ちゃんと休める
「体調が悪くても言い出しにくい」「休みを取ると気まずい」――そんな空気がある職場では、心も体もすり減ってしまいます。
“辞めない会社”は、「休むことは悪いことではない」という意識を共有しています。
有給取得を促す声かけ、同僚どうしでサポートし合える体制、さらには「お互いさま」の文化が、社員の安心感につながります。
4. 日々の「ちょっとした気づかい」がある
誰かの誕生日に一言「おめでとう」と言う。忙しそうな社員に「無理しないでね」と声をかける。コンディションが悪そうな人に「今日は大丈夫?」と聞く。
これらはどれも、小さなことかもしれません。でも、その積み重ねが「ここは自分を大事にしてくれる職場だ」という実感につながります。
社員は、思っている以上に“見られている”“気にかけてもらっている”という感覚を求めています。
5. 「ありがとう」が自然に交わされる
最後に、“辞めない会社”に共通しているのは、感謝の言葉が日常的にあることです。
「助かったよ」「ありがとう」「いつも頼りにしてるよ」
こうした言葉が自然に交わされる職場は、人間関係の温度が高く、居心地の良さがあります。
報酬や待遇だけでは、人は続きません。「ここにいてもいい」と思える雰囲気こそが、長く働きたいと思わせる最大の要素です。
おわりに
“人が辞めない会社”がやっていることは、難しいことではありません。大切なのは、制度よりも「人と人との関わり方」です。
日々の声かけ、ちょっとした配慮、相手を思う言葉の力。そうした小さな積み重ねが、社員の心に届き、「この会社でがんばろう」と思わせるのです。
人材を採用する以上に、辞めさせない仕組みづくりが重要な時代。今、できることから少しずつ始めてみませんか?
健康経営アドバイザー 矢田兼久